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2013年6月 5日 (水)

JAみどりの公開確認会に参加しました

はじめまして 今年度よりプレ運営委員となりました、木こりの女房mapleです。よろしくお願いします(^^)

さて、宮城県仙台市から北東へ約30kmのところにある「JAみどりの」は、パルシステムと長いお付き合いのある産直産地です。今年度の平塚エリアの交流産直産地になっています。

私は今回、5月28日から29日にかけてJAみどりので行われた、公開確認会と宮城みどりの食と農の推進協議会総会に初めて参加しました。今日はその様子をお伝えします。いきなり、ちょっとカタい話なんですがよろしくお付き合いください(^_^;)

flairみなさんは「公開確認会」って聞いたことありますか?私は今までまったく意識したことがなくて、「なにそれ?どんなことをするの?」と疑問だらけのまま現地に赴きました。

公開確認会は、パルシステム独自の取組みで、産直商品にたいして、パルシステムが定めている栽培などの基準に沿って農畜産物を供給しているかどうか、実際に産地を訪問し、圃場や帳簿などを確認して確かめるものです。この確認作業のことを監査と呼んでいますが、監査は、パルシステムの監査人講習会を受講した監査人が行います。毎年、パルシステム連合会全体では約14の産地・品目について公開確認会を行っているそうです。

riceball今回の対象は、JAみどりののお米です。現地には、監査人としてパルシステム茨城、埼玉からそれぞれ1名と、神奈川ゆめコープから3名のほか、生産者消費者協議会、(株)ジーピーエスからそれぞれ1名の方が監査を行いました。ほかに、秋田や庄内など多数の産直産地の生産者やJAの方々、神奈川ゆめコープのエリアやチームで活動している組合員、職員などが訪問しました。

JAみどりのでは、「パルシステム米栽培研究会」のメンバーから多数の方々、そして生産者の皆さんの取組みを支えるJAや行政の方々が、あたたかく迎えてくださいました。

dash1日半の日程は盛りだくさん。「第4回宮城みどりの食と農の推進協議会」の総会を傍聴したあとは、久保さんの圃場を訪ね、さらに栽培関連の書類を見せていただいたりして、夜には生産者の皆さんとの懇親会も開かれました。2日目は、斎藤さん(斎藤さんはたくさんいるそうで、ファーストネームで「鈴男さん」と呼ばれています)の圃場と、JAの米集荷施設(米の検査と保管を行っている)を見学し、JAや生産者の方々から詳しい説明を受けました。

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eye↑久保さんの田んぼでは、放射能低減対策として取組んだ「塩化カリ施用」について、機械や資材を見せていただきながら、説明していただきました。カリ成分が土壌中に少ないと、そのかわりにセシウムが吸収されやすくなるため、それを防ぐ有効策として、エコチャレンジ米では塩化カリ、コアフードでは燃焼灰鶏糞を施用しています。このための資材を購入するのに、パルシステムの組合員からの義捐金がとても役に立ったと話してくださいました。

また、田んぼの生態系を知り環境保全に役立てる「生きもの調査」の取組みについてもうかがいました。実際に、この日の午前中に採取したアメリカザリガニ、カエル、カイエビなども観察できました。

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rain↑2日目は残念ながら少し雨が降り始めましたが、小雨の中、パルシステム米の栽培基準による稲作のポイントをていねいにご説明いただきました。鈴男さんの田んぼでは5月17日頃に田植えを終えました。

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sign03↑左の写真は、エコチャレンジの「ひとめぼれ」です。右は慣行栽培の「まなむすめ」。

品種の違いはあるものの、慣行栽培と比べてすでに大きさがずいぶん違うのがわかります。化学肥料を使った栽培では初期の稲の分げつの頃から生育に差が出るため、それが最終的に収量の差となります。また、農薬の使用量が少ないため、病気になりにくいよう、1か所に植え付ける本数を少なくしたり、植え付けの間隔を広めにして密植を避けるといった工夫をしているそうです。

このため、同じ面積で同じ品種を作った場合、慣行栽培に比べ1割以上も収穫が少なくなるそうです。

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search米の集荷・検査・保管を行っているJAの倉庫も見学しました。この倉庫には、約4,000トンのお米を集めることができます。7万5千人が1年間で食べる量に相当するとのことです。JAみどりの管内には7つの倉庫があり、全部で約3万トンを扱っているとか。すごい量ですね!ここでは、宮城県の検査員のコンテストで昨年度ナンバーワンの成績をとったという腕利き検査員さんが検査しています。

東日本大震災では、この倉庫に積まれた米がすっかり崩れてしまったそうです。JAでは本所の建物も壊れてしまいましたが、新築し、この6月からは新しい本所がオープンするそうです。圃場の土壌放射性物質も徐々に減っており、震災からの復興は着実に進んでいます、と皆さん話していました。

そんなたいへんな状況にあっても、パルシステム組合員をはじめとする消費者に安全・安心な農産物を供給しようと真摯に取り組んでおられること、本当にありがたく思いました。

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book公開確認会では、出荷契約や栽培計画・履歴、検査結果などの帳簿もチェックしていきます。全員でおおまかな話をきいたあと、監査人は担当を分担して、それぞれ決められた項目について正しく実施されているかどうかを、書類を調べたり生産者やJAの担当者の話をきいて確認していきます。

JAみどりのでは、長い産直や交流の経験があり、試行錯誤を重ねて現在の栽培方法や管理方法を作り上げてきました。書類もしっかり整っていて、抜けているところや誤りはみつからず、監査人のみなさんが感心の声をあげるほどでした。

監査の報告が終わったあとの生産者のみなさんのホッとした表情をみて、日ごろから生産者の皆さんがどれほど緊張感をもって、真摯に、安全と安心の取組みを重ねているかを改めて感じました。

mobaqパルシステム米に取り組むことの生産者にとってのメリットは何ですか、と質問してみました。

それは、私がずっと気になっていたことです。私たち組合員は厳しい基準を生産者に求め、それを実現してもらうことで、私たちがかんがえる「豊かさ」を実現しています。一方で、生産者には良いことがあるのでしょうか。それとも、いままでよりも手間が増えてたいへんになっただけなのでしょうか。生産者と消費者の双方に良い結果をもたらすしくみでなければ、生産者が意欲を持ち続けるのは難しいし、長く続けていかれないでしょう。

heart01「パルシステム米に取り組むことは、正直いって経営上のメリットはあまりないんです。しかし、生産者としての誇りを感じることができるというのが、いちばんのよい点だと思っています。

消費者のみなさんが生産者に求めていることを受け止め、実現しようとすることで、生産者としての誇り、自負心をもつことができると感じています。放射能対策をとってみても、当初はなぜ一般よりも厳しい基準でやらなければいけないのかとも思いました。しかし、子育て中のお母さんたちがたくさんいることを思えば、それを求めるのもあたりまえだと理解できました。

子供たちの世代によいことをしていこうという思いはとても大切です。パルシステムのみなさんが求めていることは、決して我欲ではなく、日本の農業の将来を考えてのことです。また、自分自身もまたひとりの消費者であるということも、意識するようになりました。そういう気持ちの上でのメリットを強く感じています。」

JAみどりのパルシステム米栽培研究会会長の三神さんは、こう話してくださいました。

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flair私は初めて公開確認会に参加して、生産者のみなさんの熱意にも感動しましたが、同時に、監査人をはじめとする理事や組合員のみなさんの真面目さ、熱心さにも驚き、敬服しました。生産者のがんばりに触れることを通じて、私たちも、消費者としてどのように行動することが望ましいのかを考えるようになるのですね。

消費者の責任ということについて意識し、具体的にひとつひとつ行動に移していくことが大切なのだ、という思いを新たにしました。とても貴重な経験となりました。

notes生産者の皆さんは、もっとパルシステム組合員の皆さんに産地を訪ねてもらって、自分たちの取組みを知ってもらいたいと繰り返していました。皆さんもぜひ、産地交流に参加してみてください。気づきや学びも大切ですが、そんな堅苦しい話ではありません。

緑豊かな大地、暖かい笑顔と楽しい時間が待っていますよ!

maple

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コメント

みどりのの取り組み パルシステムの姿勢がすごくよくわかったし、
文書が読みやすくてわかりやすくて、感動しました!
みどりの行ってみます。
ありがとうございました(^^)

まめたろうさん、さっそくありがとうございます。
私自身、はじめてこういう活動に参加して、
「へえ!?パルシステムってこんなふうに産直に取り組んでいるんだ!」
ってびっくりすることがたくさんありました。
なんとかそれを皆さんにお伝えしたいなと思ったら長くなってしまった^^;

ぜひぜひ、みどりのに行ってみてください。
(次の記事でもっちーさんが、春の交流をレポートしています。)
たくさんのワクワクと感動があると思います!happy01

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