もずく学習会&エリア交流会を開催しました
2月11日(祝・木)にオンラインにてもずく学習会&エリア交流会を開催しました
前半は㈱井ゲタ竹内さまから講師をお招きしての恩納もずく学習会、
後半は西湘・県西エリア内で組合員活動をしているエリア・地区くらぶのメンバーの交流会
の2部構成でした
西湘・県西エリアで開催するオンライン企画は今回が初めてだったこともあり、
内輪での開催でも進行や接続などがうまくいくかどうかドキドキしました
さて、みなさまはご存知でしたか?
毎年7月4日は『恩納もずくの日』だそうです
2011年7月4日に「恩納もずく」が農林水産省で、もずくやワカメなどの褐藻類として初めて品種登録されたことから制定されたそうです
恩納もずくは糸もずくの1品種で、2006年に作られ2011年に品種登録されました。
ちなみに毎年4月第3日曜日は「もずくの日」だそうです
1977年春、沖縄県恩納村漁協が沖縄で初めてもずくの養殖事業に成功したことを記念して定めたもので、産地ではさまざまな記念イベントが開催されるそうです
恩納村漁協は1970年に設立。
2019年8月の海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣表彰)で、恩納村漁協は「豊かな海を次世代につなぐ活動」が評価され、内閣総理大臣賞を受賞しました
沖縄県の恩納村では、2018年7月21日に「サンゴの村宣言」をし、
世界一サンゴに優しい村を目指しています。
恩納村コープサンゴの森連絡会では生活協同組合の組合員の皆さまと、コープ・恩納村・恩納村漁協・(株)井ゲタ竹内の連携の力で、海の環境を守り・育てる「里海づくり」を推進しています。
サンゴの植え付け状況もわかります
パルシステムは、2009年、恩納村漁協、もずくメーカーの(株)井ゲタ竹内、恩納村とともに「恩納村美ら海産直協議会」を設立。
恩納もずくの売り上げの一部をサンゴの植え付けに役立てるしくみを作りました。
パルシステムではここ数年は年に1000本植え付けをしています
もずくの収穫網についたもずくを掃除機のように吸い上げるそうです
吸い込んでいるところ
恩納村漁協で塩蔵加工されたもずくは、気密性と輸送適性に優れた一斗缶に詰められ、一缶ずつ管理番号がナンバリングされて井ゲタ竹内に届きます。
塩蔵後一斗缶に詰められたもずくは塩抜きを経て商品化されます。
ちなみに塩蔵加工して一斗缶に詰めたもずくは-5℃以下で保存すると何年でも持つそうです
もずくは5段階でグレード化されていて、それらをブレンドすることで一定の品質にしているそうです。
パルシステムの早採れ糸もずくは4以上のグレードしか使わない、
3は単独で使える、2と4はブレンドして使う、1は返品とのことです。
もずくにもグレードがあることを初めて知りました。
㈱井ゲタ竹内さんは、自然の恵みを生かし、心をこめた食品づくりを大切にしています。
下の写真のもずくには、養殖網の切れ端が紛れ込んでいるそうです。
みなさまは見つけることが出来ますか?
私は目視でまったくわかりませんでしたが、正解は2カ所でした
もずくにダメージを与えないように手作業で取り除いているためとても大変だそうです。
このようなもずくの中から養殖網の切れ端などを見つけ出すことができるなんて、
選別をする方たちの目&集中力はものすごいと思いました
恩納村漁協さんと㈱井ゲタ竹内さんはお互いに品質を高めあうパートナー関係(=協創)です。
工場研修、産地・生育情報の共有、品質データのフィードバック、改善策の話し合いなどをして
産地との信頼関係を構築しています。
パルシステムと㈱井ゲタ竹内さんとの関係も協創です。
商品の側面にロットNOがついていることを皆さまはお気づきでしたか?
これによって充填された時間帯・殺菌の状態・一斗缶の管理番号がわかり、生産者を特定できます
トレーサビリティへの取り組みをしている「生産者の顔が見えるもずく」なので、安全・安心です
もずくの品質向上にもつながります。
㈱井ゲタ竹内さんでは、家庭で作るおいしい酢の物を目指しているため、
シンプルで家庭にある基本的調味料で味付けをしています
菌に汚染させない工場で作ることにより日持ちする商品を作っています。
写真にもあるように、飲み干せるもずくです
市販品のもずくには多くの場合、香辛料抽出物(カビ防止)・カラシ抽出物(あと味をピリッと辛く)・アミノ酸や人工甘味料(酸味を抑えるが味が濃くなる)が入っています。
また酢をたくさん入れて日持ちするようにしているので、液ごと飲むとむせます。
もずくには商品づくりで公的基準がないそうです。
パルシステムでは「おいしいものを作りたい」と商品を作っていて、
市販品では消費者の意向を反映して「安いものを作りたい」と商品を作っています。
商品づくりのコンセプトが違っているので、どちらが優れているということではありません。
㈱井ゲタ竹内さんの商品には「おいしいもずくを組合員に届けよう」という思いが込められています
もずくに関わる4者の関係は助け合いではなく、それぞれの役割を果たしています。
さて、いきなりですが問題です
『サンゴは動物?それとも植物?』
正解は…
『動物』でした褐虫藻という植物プランクトンが光合成をして栄養を作っているそうです
『サンゴ』と似たような言葉で『サンゴ礁』がありますが、サンゴ礁は地形です
サンゴ礁はさまざまな海の生き物の住みかとなっています
サンゴの白化。褐虫藻がサンゴから逃げ出してしまった状態です。
一時的な海水温の上昇でストレスを感じ白化したとしても、
海水温が元に戻れば褐虫藻が戻ってきて生き返ることができます。
しかし白化した状態が続くと、その後死んでしまいます。
サンゴが元気だと海がきれいになり、サンゴが減ると海が濁ってしまうそうです。
サンゴの苗づくりは頻度高くやっているそうですが、海に運ぶのは年に数回だそうです。
植え付けをすると3年後くらいにはたまごを産む大きさになるそうです。
サンゴの産卵の様子は幻想的ですね
恩納村の里海づくりではサンゴの植え付けをしてサンゴを増やし、海の環境を守り・育てています。
私たちが商品を利用することで、売り上げの一部がサンゴの植え付けに使われます。
おいしいもずくを食べながら、海の環境をよくすることにも協力できるなんて一石二鳥ですね
質問コーナー
Q:「1つの調味液だけで作らないのはなぜ?」
A:「混ぜている調味料(酢・醤油・砂糖・魚だし・みりん)それぞれの賞味期限が違うから。」
PB用に調味液を作っており、製造上パルシステムの表記ルールに従ってそう表記しているです。
Q:「太もずくは季節によって味付けが違いますか?」
A:「味付けは同じ。」
ただ、もずくの原藻によって調味液の味付けを変えているそうです。
太もずく→太くて歯切れがよいのでだし強めで甘めに
糸もずく→ツルツルしているのでやや酸味を効かせてスッキリと
もずく自体には味がないので、調味液の味付けがもずくの好き嫌いに関係しているようです。
Q:「もずくを塩蔵するのはなぜ?」
A:「品質を落とさないベターな方法だから。塩と撹拌し塩蔵することで日持ちするようになる。」
ちなみに不作の時は急速冷凍するそうですが、内側まで凍るのに時間がかかり解凍も時間がかかるそうです。
Q:「天然のもずくはあるの?」
A:「あるが、どれが天然か判断しにくい。」
太もずくは沖縄で生息しているので天然のものも多い。
もずくの品質的には養殖の方がよいそうです。
養殖網は海底から20~30cm浮いていてまんべんなく太陽の光が当たります。
参加者感想(一部抜粋)
・ていねいに育て製品になるまで変わらないもずく愛を感じた。そして何より、恩納の海を大切に守り育てる自然への愛を感じた。
・市販のもずくとは、もずく液の量、すっぱさ、後味が違います。子どもたちがなぜパルのもずくのみ好むのかわかりました。
・もずくを食べることによって自然環境に貢献出来ることを再認識したので美味しいし意識して食べようと思いました。
・もずくがどんなものなのかよく分かっていなかったので勉強になりました。
遠い沖縄がとても身近に感じる学習会でした
㈱井ゲタ竹内さま、ご参加のみなさまどうもありがとうございました
(もっちー)
コメント