2009年 11月
顔の見えるコーヒーを味わおう!コーヒー学習会
2009年 11月 06日
11月6日に新横浜本部にて「顔が見えるコーヒーを味わおう!」と題して、
㈱オルタートレードジャパンのご担当の方をお招きしたコーヒー学習会を
開催しました。数あるフェアトレードコーヒーの中でもラオスと東ティモールの
コーヒーを取り上げて、産地の様子を映像を交えてお話いただきました。

まず驚いたのはコーヒー豆として製品になるまでの手間隙のかかること!
コーヒーは1年に3回花を咲かせるのですが、機械で加工してしまうと豆の熟度に
バラつきが出てしまうため、すべて手摘みでチェリーと呼ばれる赤い実だけを選ぶ
のだそうです。その後の果肉除去、乾燥、脱穀を経て緑色の生豆の状態で海を渡り、
日本人好みの味になるよう焙煎して私達のもとへ届けられます。
ラオスコーヒー ~カフェ・ド・ラフォーレ (森のコーヒー)~

皆さん、コーヒーというとどんな産地を思い浮かべますか?
ブラジル、エチオピア、インドネシア・・・
ラオスのコーヒーはこれまで日本でほとんど取り扱われてこなかった希少なもので
アラビカ種に属するテピカという豆。コーヒーは産地のブランド力がないと市場では
なかなか売れないため、ラオスコーヒーの出る幕はこれまでなかったと言えます・・。
ラオス南部・カトゥアット村。ベトナム寄りに位置するボラベン高原の標高1000~
1400mのところに生産者グループがあります。
日本の本州ほどの土地に50近くの少数民族が暮らす山がちな国。コーヒー畑も
プランテーションのようなものではなく、森の中にコーヒーの木々があるのだそうです。
この森の木がコーヒー栽培に必要な日陰(シェードツリー)となっています。
ちなみに、低地で栽培されることが多く病気に強いロブスター種は、主にエスプレッソ
やインスタントコーヒーなどに使われ、苦味や雑味が多少残ってもよしとするため、
チェリーのまま乾燥させるのだそうです。
一方、ラオスや東ティモールのアラビカ種は香りがよいのが特長ですが、病気に弱い
という欠点も。そのうえ雑味・えぐ味を取り除くための手作業。工程の説明を受けている
だけで、その大変さが目に浮かびました。
Q.ラオス人はコーヒーの木が病気になったらどうするか?
答えは、そのままにする(!)。農薬を取り入れる資金などがないことが当初の理由では
ありましたが、ラオスでは元来、木の力をつけるために無農薬栽培を当たり前に行なって
いて、無意識のうちにエコ思考を実践しているのです!
ラオスコーヒーは、2004年にOXFAMという海外のNGOから紹介を受け、取引が開始
されました。もともとラオスの人々はコーヒーを飲む習慣はなく、フランス植民地時代の
1920年代に持ち込まれたもの。日本の消費者の好みを伝え、丁寧に実を手摘みする
ことの重要性をラオスの生産者に理解してもらうことから始まったとのこと。現在では
生産者自らが脱穀までの工程を手がけたり、首都のビエンチャンへ自分達の豆を出荷
したりと活動の幅が広がっているのだそうです。
東ティモールコーヒー ~真の自立に向けて~

2002年に独立したばかりの東ティモール。1815年以降ポルトガルにより本格的な
コーヒー栽培が始まりました。
標高1200m超の高地で霧が出る。これがコーヒー栽培に最適なんだとか。生産者から
はチェリーの状態で買い付け、パーチメント(脱穀)工場も建設しました。
東ティモール、名前は聞いたことはあるけれど、一体どんな国なのでしょう?
独立での戦乱の影響でインフラ設備が破壊されたままで、従来からの主食であったキャ
ッサバ類を除くと、食品自給率が非常に低く、需要の48%をタイやインドネシアからの輸
入に頼っているのだそうです。
15歳以下の子どもが45%もいる若い国ではありますが、その未来を担うはずの子ども
達の教育レベルの低さも問題です。そして何よりショックだったのは乳幼児死亡率が高さ
でした。5歳以下で亡くなる子どもが1,000人に61人の割合。
栄養状態が悪いため、下痢や肺炎などでも命を落としてしまうのだそうです。
そんな子ども達に安全で栄養バランスの取れた食を提供するため、養鶏や米作りの
プロジェクトを進めようとしています。
そのように、将来的にコーヒー輸出に頼らない国作りのため、コーヒー生産を支援し
ているという現状を聞き、私達のコーヒーの購入が未来の国作りを応援していること
を実感することができました。
お話の後は、コーヒーを美味しく淹れるコツを実演。

①お湯は、沸騰後1分ほどおいた95℃の状態で、
②粉の中央からゆっくりとむらなく抽出。
③粉がお湯を吸って膨らんだら30秒ほど蒸らします
これで粉にお湯が触れる面積を広くします
④表面の泡が凹み始めたら、「の」の字を書くように数回抽出
⑤多目のお湯を注ぎ、サーバーのメモリに達したら抽出の途中でドリッパー
をはずします!最後まで出し切るとコーヒーの雑味やえぐ味などが混ざって
しまうそうです!!(ケチらず守りましょう!!)
ラオス、東ティモール、2種のコーヒーを飲み比べ。
酸味の舌への広がり方、苦味の感じ方が異なり、楽しく興味深いひととき。
「私はラオスがいい」「東ティモールは芯のしっかりした味!」
「ラオスは主張しすぎてなくてお国柄が出るのかしら?」
など新たにお好みのコーヒーを見つけることもできました。
参加者の中には、これまでオルタートレードのコーヒーを購入したことがないという
方も。ぜひぜひ、これを機会に、美味しく飲んで世界とつながる関係を作っていただ
けたらな♪と思います。
(sou)
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Commented by 平井 at 2009-11-15 06:05 x
これからは手摘みをしてくださってる生産者の姿を思いながら、感謝してコーヒーを味わおうと思います。

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